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もちろん彼のように人間の姿をしている男が、ただのタヌキな訳が無い。
彼は厳しい修業に耐えたエリート中のエリート、人間の言語に百を越す化け術を身につけた化けタヌキなのだ。
実は遡る事二十年前タヌキ社会に革命が起きた!
タヌキの本場、四国で名をはせた金長と言う名前の大タヌキがいる。
その金長が全日本タヌキ長老会議で、驚きの作戦を提案したのだ!
「タヌキ幕府成立計画である!」響く野太い声で金長が叫んだ。
その作戦とは、こうである。
未だ人間達は、自分達タヌキの能力を知らない。
この油断をつき、幕府の要人達と化術を持って入れ替わり、ゆくゆくは日本をタヌキの楽園にしようと言うのであった。
しかし、この作戦には大きな欠点があった。
人に取って代われる程のタヌキとなればそうそういない、化けダヌキとは一部の天才しかなれないものなのである。
化けダヌキの数が足りなかった。
そこで金長はさらなる作戦を宣言した。
「化けタヌキ増量計画である!」その作戦とはこうだ。
生来呑気もののタヌキ達は無理矢理鍛えればまだまだ才能ある化けダヌキがいる。
若いタヌキを集めて金長自ら鍛え、化けダヌキを増やすのである。
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