9人が本棚に入れています
本棚に追加
「どうしたのだ!銀次。」金長が銀次に尋ねる。
「大変でございます!我らの存在が人間達に感付かれております!」
「そ、そんな馬鹿な!」金長が座布団から立ち上がり叫んだ。
「本当にございます。それどころか、幕府は我々に化けるのを止める様に命令して来ています。江戸中にそれが書かれた看板が立っています!」銀次が頭を下げ膝まづきながら金長に言った。
「信じられん…」金長が呆然とする。
「我らの存在を知られてるとすると、我らの計画も漏れていると見て間違いありません!もし失敗すれば、我らは人間に迫害される事必定でございます!」低い声で叫けぶ様に銀次が言った。
「是非計画の中止を…」泣きながら銀次はそう言った。
金長は、力無くその場に崩れ落ちた。
その後、全日本タヌキ長老会議により計画は中止された。
それどころか幕府にしたがいタヌキが化ける回数を減らす事がこの会議で決定されたのである。
かくして日本は、守られた。
さて、最後に先程紹介しなかった看板に書いてあった一節を紹介しよう。
「一つ、タヌキの七化けは多すぎるので三化けにすること」
…おかげで日本は、今日も平和である。
最初のコメントを投稿しよう!