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「ごめんなさい…優海サン…」 ……え? そう思ったのも束の間、あたしは智輝にキスされた。 「ど…どうして…」 キスだけはしたくなかった。 涙が…止まらない… 「……ッ…」 「聞いてください、優海サン…」 智輝はまるで壊れ物を触るかのようにあたしに触れた。その手は震えていた。         「俺…優海サンが好きです」        …………………… 最悪の事態になってしまった。 あたしはそう悟った。 「…諦めてよ…あたしは「わかってるッ!!」 智輝は、まるであたしに喋らせない様な口調で淡々という。 「だから無理矢理抱いたんだ。心がだめならせめて身体だけでもって」 智輝は、本気だ。 あたしを見る目が物語っている。 「だから…優海…身体だけでも俺に……」 智輝は真剣だった。 なぜそこまであたしに執着するのかわからなかったが、身体だけでさえ渡すことなんて出来ない。 だってあたしの全ては…   「もし、断ったらどうなるの?」   瞬間 智輝の目付きが変わった。 「断ったら…これを校内にばらまきます」 「───!!!!」 それは…あの時の… 彼が取り出したデジカメの中には智輝としたときの映像がはっきりと撮られていた。 「……あんたがこんなやつだとは思わなかった」 「心外ですね…俺もあなたがこんなに淫乱だとは思いませんでしたよ…」 智輝は怪しげな笑みをあたしに向けた後、デジカメをカバンに入れ、帰る支度をした。 「それでは、交渉成立ですね…昼休み、屋上で待ってます」 智輝はそれだけ言うと、家を出、帰って行った…           あたしは悔しさと、恐怖と、和輝を裏切ったといううしろめたさで全く眠れなく、涙ばかりが頬を伝った。
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