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桜の花びらが散り始めるこの季節。
桜吹雪が美しい。
あたしは伸びた髪の毛を手で束ね、広がらないようにしながら校門で彼を待っていた。
「優海、待たせたな」
彼の声が聞こえる。
「和輝」
嬉しさで声が弾む。
あたしたちがこんな関係になったのは1年前。
あたしたちは普通に恋をして、中学の卒業と同時に告られて、今まで何の波乱もなく続いている。
周りから見ても、理想のカップルだ。
「ねぇ、今日は和輝ん家に泊まってもいいんでしょ?」
「おう!もちろんだ」
あたしたちのお約束。
金曜日にどちらかの家に泊まって、土曜日はデートをする。
学校が違うあたしたちにとって、それが唯一の2人の時間なんだ。
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