あの場所で

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どこか淋しげで儚い。 黒い髪がサラサラとなびく姿は、風と共に消えてしまいそうに見えた。 「本、読んでもいいかな?」 私はそっと頷く。 「有難う」 カバーの付いた本をめくる。 青い押し花の栞を抜き取り、視線を落とす。 どんな本なんだろう? 内容が気になり、少しだけ顔を向ける。 フッ……。 吹きだす貴方。 「気になるの?」
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