帰路

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「またね」と君は手を振り 僕も またねと手を振る 君と僕の帰り道 明日も同じなのかなぁ 過ぎてゆく時の中で 動けずに立ち止まって 泣きそうな顔をしてる 僕は君より子供で いつもそうさ 君の方が先にいなくなって 僕はひとりきりの 帰り道 ただ 歩くんだ 帰り道が 君と 僕で違ったら 僕は 誰と帰るのだろう そんなことを ふと 考えながら ひとりで歩く この道 嬉しいことがあったら 一緒に喜んでくれて 哀しいことがあったら そっと慰めてくれた いつも僕は 君に助けられてばかりいて 君に対して僕は 何ひとつ してあげれずに 帰り道が 君と 僕で違っても 僕らは友達だろうか? そんなことを ふと 考えながら ひとりで歩く この道 握りしめた ものは 流れ落ちてく 残った温度 忘れてく 悲しくない だけど 少しさみしい また 明日会えるのにね 帰り道が 君と 僕で違ったら 僕は 誰と帰るのだろう そんなことを ふと 考えながら ひとりで歩く この道 「またね」と君は手を振る 僕も「またね」と返した そして いつもの約束 「明日もまたこの場所で」
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