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「お、おはようございます」
「おはよ。何? 緊張してんのか?」
「い、いえ」
「・・・」
今日は初仕事の日。
前に、いきなり声かけられて、その時に「あ、初仕事は・・・そうだな・・・明日、でいい?」なんていきなり言われてしまいました。
いい訳ないじゃないですか!!
いきなり過ぎです!!
私は、前の日と今日の朝、文句を言いつつも昨日の公園にきた。
家を出る時に、何だか緊張してきて、公園に近づくにつれてそれは、酷くなった。
で、やっぱりこの人の前にきたら、緊張してガチガチになってしまった・・・。
「少し、リラックスしろ」
「う~・・・っ 無理です」
アレ・・・何だか、聞いてないことあったような・・・?
「・・・あの、私・・・名前、聞いてませんよね?」
「あ、そっか。忘れた・・・って、渡した名刺に書いてただろ。見ろよ・・・」
カバンを探してみる。だけど、見つからなくて・・・それでも、探していると小さい溜息と共に、何かを渡された。
「しょうがないな・・・名刺、もう一枚やる」
「あ、ありがとうございます」
えっと・・・
『Take Ando』。
へ~・・・。
名刺には、『Take Ando』と、英語の飾り字で書いてあった。
「アンドウ タケさん?」
「そう、安藤 岳。お前は?」
「私は、梨佳 美雲(なしか みく)です」
私も自己紹介をして、軽く頭を下げてから上を向くと、安藤さんはきょとっとしていた。
あ、また・・・か。
「・・・ナシか。梨? 無し?」
「ふ~んっだ! どっちでも構いませんよ~っだ!!」
ふんっだ。
皆、そうやっていつも言うんだ!!
馬鹿にしてっ
文句は、お母さんに言ってよ!!
「悪かった。そんなに怒るな」
「怒ってません」
怒っている私の頭をまた、大きな手が撫でた。
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