突然の出会い

6/7
前へ
/18ページ
次へ
『パシャ』 え? 何の音? 「今の、凄くいい顔してた」 「・・・してたって・・・」 何が起こったのか、全く分からなくて、目の前の人を凝視してしまう。 その人は、見つめ返してにっこりと笑った。 「ごめん、急にしたから・・・びっくりしたよな? 俺、カメラマンやっててさ・・・」 はいって、渡された名刺はシンプルで装飾が少しかっこよくできている。 名刺にはどこかの会社の名前と、この人の名前が大きく書いてあった。 「カメラマン?」 「そ、カメラマン」 にっこりと笑ったまま、大事そうに持っていたカメラを見せてくれた。 あ、そっか・・・さっき持ってたのって、"カメラ"だったんだ!! ふと、目の前の人の顔を見ると、さっきまではにっこり営業スマイルに近い笑顔だったのに、今は、ちょっと意地悪な笑顔。 なぜか私は、急に胸が苦しくなった。胸を締め付けるような、そんな感じ。 「なぁ・・・」 「は、・・・っ」 声がしたから、反射的に上を向くと、何かが唇に当たった。 温かくて、少しだけ・・・柔らかいもの。 「・・・えっと」 「アレ・・・反応、ないんだ?」 「そ、そう・・・言われても・・・」 う言われても、何が何だか・・・。 私は混乱していた。 何が、起こったのか分からなくて・・・。 「・・・もっかい、しょうか?」 「えっ・・・」 髪に触れたり、私の髪を持ってキスした時に、真剣な何もかもを見透かした表情にぶつかった。 「何だか、よく分からないんだろ? だったら、した方が早いし」 「い、もう、いいです///」
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加