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幻夢が向かっていく姿を見て父親がボソッと言った。
「名札を忘れるなんて…誰に似たのか…うむ私達も一緒に行こう」
両親もすぐに会計を済ませ、幻夢の後を追った。
同日午後8時。
幻夢はこれまでずっと走って一時間近くかかったが、全く息を切らしていなかった。
中学の時は柔道をしていたが、特によい成績は残していなかった。
楽天的だが、腹黒く、多少ケンカっ早いところが幻夢の性格だ。
そのせいか、今までたくさん修羅場をくぐり抜けてきた。
抜群の運動神経と驚異の身体能力を持っている。
「夜だが校門開いてるんだな、校舎は開いてないパターンか」
校門から北に位置する教室棟を目指していた所でとんでもないものを目にした。
ズオッ!!と音と共に、黒い夜空以上に真っ黒な衝撃が校門周辺を襲った。
幻夢が目にしたのはそこにいた人物だった。
両親がそこにいた。
そして両親の存在を確認した直後に、両親を掻き消すように真っ黒い衝撃は直撃した。
「……ッ!?…ハ?」
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