Black・World

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会議室を出た幻夢は、眼前の窓の向こうにある風景を見て目を疑った。 両親を消した時と同じ、夜空よりも黒い塊が宙にあったからだ。 更によく見ると、それは人の形を形成していた。 「まさか…アレが父さんと母さんを?」 ―南方校門周辺― ドス黒い塊を集約させ、覇皇は言う。 「弱者には…『絶滅』の罪を…【絶滅】(バニシング)!!」 言葉と同時に、ドス黒い塊は地面に柱を建てるように相手に突き刺さった。 その光景を幻夢は見逃さなかった。 体は勝手に走り出していた。 (間違いない!!アレが俺が最も殺すべき人間だ) 「ヒャハハッハーハハ!!哀レ、見事にキレイニ消えチャったナ」 そう言うと、覇皇は夜より深い黒い世界へと消えた。 幻夢が職員棟を駆け降りて、上空を見渡した時にはもう覇皇はいなかった。 アテはないかと黒い柱が発生した地点に向かう。 「ッ!!…消えていない?」 そこには、覇皇の一撃を受けて生き残った人間がいた。 それも一人しかいなかった。
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