プロローグ

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その時、彼女が何を喋っていたかは覚えていない。 なぜかと言うと、彼女の後姿をボーっと眺めていたからだった。 彼女は、肩までかかる位のセミロング、そして細身という僕の理想の姿だったもので、つい見惚れていた。 彼女は自分の自己紹介が終わると、自分の席に再び腰を下ろした。 「次は、『杉崎太陽』」 ついに僕に順番が回って来た。 僕は、平凡な自己紹介で終わらせた。趣味はゲームと読書、そして、よろしくと。 特に目立とうとは考えず、ごくごく普通に自己紹介を終えた。そして、また彼女の後ろ姿をボーっと眺めていると、不意に彼女はクルリと僕の方へと向いてきた。
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