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「―――笹木、いるんだろう?」
わざと日本語で言うと…案の定、目の前に見慣れたスーツ姿の男が現れた。
『お久しぶりです、陸様』
そう英語で言いながら、深々と頭を下げてきたこの男―――笹木 和志(ササキ カズシ)。
元々は俺の教育係をしていたが、現在は高宮グループ会長である俺の祖父の秘書をしている。
将来―――俺の片腕として働く予定の人物だ。
俺は、軽くため息を吐くと、笹木を睨み付ける。
『―――祖父の秘書をしているお前が、俺に何の用だ?
まだ俺は、自由の身のはずだが…』
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