プロローグ

5/7
前へ
/435ページ
次へ
『えぇ、もちろんです。 ただ―――』 笹木はいったん言葉を切ると―――意味ありげに唇の端を上げるだけの笑みをみせる。 『その件で色々―――報告も受けておりますので』 笹木の―――全て見透かすような瞳にじっと見つめられ、俺は思わず唇を噛み締めた。 昔から―――俺のすることや考えていること、全てが笹木に読まれていた。 けどまさか―――今考えていることまで、ばれているなんて事は…ないはず。 俺は、動揺を悟られないように小さく息を吐くと、わざとらしく肩を竦めてみせた。 .
/435ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11349人が本棚に入れています
本棚に追加