プロローグ

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そのまま、笹木の用意した車の後部座席に乗り込み、腰を下ろす。 窓の外を流れる懐かしい景色を眺めながら―――俺は遠い日本にいる愛しい人の顔を思い浮べていた。 まだ離れてから2日程しか経っていないのに―――遥に逢いたくてたまらなかった。 ―――多分このままだと、約束した1週間では、帰れそうもない。 だが―――先ずは目先の仕事を片付けるのが先決だろう。 俺は軽くため息を吐くと、カバンから学会発表の原稿を取り出し、目を通し始めた。 そう―――まずは発表を終わらせること、全てはここからだ―――。 .
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