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ふとその時、校内放送を知らせるチャイムが鳴る。
静かに伏せていた瞼を開き、その放送を聞き取ってみる。
「全校生徒のみなさん」
聞き慣れない、少し幼さの混じった女性の声だった。
「戦のお時間です」
ひゅ~ーーーぐさっ。
俺の平和に矢が刺さった。
「え~2年A組浅羽司楼君。最初に捕まえて校長室まで連れて来られた方には賞金出しますよー!!」
ぐさぐさぐさっ。
止むことなく、俺の平和に突き刺さる。
途端に学校の雰囲気が変わった。
というか全校生徒の目の色が変わった。
俺はゆっくりと溜め息を吐き出し、ふと空を見上げた。
ああ、今日も空が綺麗だな。
さて、逃げますか。
すでに人の波と化した校庭を背に走り去った。
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