プロローグ…という名の誘拐事件

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「ちくしょっ、離せこら!」 ロープで上半身をぐるぐる巻きにされ、無駄な抵抗とわかっていながらも足をばたつかせる。 向こうでは恐らく先ほど校内放送した人だろう、少し幼さが残る顔つきをしているメイドさんだった。 しかし幼さがあるのは表面のみで、内面はかなり黒かった。 既に俺を捕獲した生徒に報酬を渡している。 俺を捕まえた奴のことの顔は忘れないようにさておこう。 いつか泣かす。 「さて、志楼様~。なんで捕まったかわかりますか?」 「あれ…のことか?」 「半分正解です」 扉が開き、先ほどのメイドと同い年だろう、だがこちらは大人びて落ち着いた雰囲気のメイドさんだった。 メイドさんは後ろにスーツに無精髭という若干ミスマッチのおっさんを連れていた。
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