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さて、もう分かっていると思うが
母……アルトリア・ペンドラゴンこと《アーサー王》
父……衛宮士郎こと《現代の英雄》
が『我が親愛なる両親』である
何の因果か、そんな二人の息子として産まれてきたオレこと《衛宮緋虎》(あかとら)は今、世界規模で迷子になっている
「ウソだろ……?」
目を覚ますと、そこは見渡す限り荒野だった……
何故こんなことになっているのか、気を失う前の事を思い出してみようと思う
――――――
―――――
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―――
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―
今は午後11時前後。場所は聖フランチェスカ学園
何故オレがこんな所にいるのかとゆうと、簡単な話、警備のバイトをしているのだ
もし泥棒が来ても、宝石翁の修業(とゆう名のイジメ)をこなしている身としては、そんじょそこらの泥棒に負けるつもりはない
(宝石翁との出会いや修業の内容は、また次の機会に……)
一般大学に通う21歳としては友達と遊ぶお金が欲しい訳で、時給の高いこのバイトを選んだ次第である
自分の事に無頓着な父はいるが、その辺は凜さんや母のおかげで人並みに育ったと自負している。いや、していたい
「ここも異常なしっと……!!」
――ニゲロ!――
――ニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロ――
報告に行こうと思った矢先、母から受け継いだ【直感】が『ニゲロ』と強烈に訴えてきた
【直感】が働くとゆう事は、誰かが戦っている証拠。しかも近い。要するに、学園内で戦闘が起きている
ここで逃げれば、無事に明日を迎えられるだろう。しかし、オレは仮にも警備員だ。さらには英雄の息子でもある。
そんなオレが逃げれば、両親の顔に泥を塗ることになってしまう。それだけは回避しなければならない。オレにとっては、無事に明日を迎えるより大事なん
だ
頭の中で鳴り続けている警鐘を無視し、足に【強化】をかける。
「行くぞ」
ここからは非日常の世界。警鐘が強く鳴る方へ走り出す
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