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「ここは歴史資料館?」
辿り着いたのは学園内にある歴史資料館。しかも、中から悲鳴が聞こえた。覚悟を決めなければ。
ドアを破壊して走る。ドアなんて後で直せばいいが、人はそうはいかない
数秒後、現場と思われる場所へ到着したオレは、この学園の制服を着た男子と私服姿の男子を発見した
私服姿の男子は、鏡(?)から発生している光に飲み込まれている途中。
制服を着た男子は、光が避けているかのように全く飲み込まれていない
私服姿の男子は知っている。『北郷一刀』君だ。
彼とは警備の時によく会い、話すうちに仲良くなった
制服を着た男子は知らない。この学園は男子が少ないから、見たら分かるはずなのに……
そんな事はどうでもいい。今は一刀君を助けなければ!
「一刀君!!」
「緋虎さん!? 来ちゃダメだ!!」
「何言ってるんだ! 早く手を伸ばして!!」
「チッ……。 邪魔が入ったか。だがもう遅い! 扉は開かれた。世界の真実をその目に焼き付けてくるがいい!!」
あと少しで一刀君に手が届くかとゆう時に、もう一人の生徒が悔しそうな、でもどこか愉悦を含んだ表情で叫ぶ
それが言い終わるか否かの所で、一刀君もオレも光に飲み込まれてしまった
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「で、今に至ると……」
確実にあの光が原因だろう。それにあの少年の言葉も気になる
「分からないから後回しだな。現状確認を先にしないと」
分かることは、見渡す限り荒野が続いているのと、隣に一刀君が寝ている事だけ
一刀君は外傷なし。今は呑気に寝息をたてている
一刀君が起きる前に、自分の状態も確認しておくか……
まずは容姿から
髪は立たせてあり、銀色。
母譲りの白い肌に翡翠色の瞳。
母似とも父似とも言われる中性的な顔。
服は、いつのまに着替えたのか黒いスーツ。胸には、翡翠色の宝石のペンダントをしている
このペンダントは宝石翁から貰った物で、常に宝石翁と繋がっていて、どんな場所・どんな世界・どんな時間軸にいても迎えに来れるらしい。
故にプライバシーは存在しない……
「服以外は問題なしだな」
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