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俺の手よりも先に瑠樺さんの手がその子をヒョイと抱き上げた。
黄「!」
瑠「おい、大丈夫か?どっか痛いか?」
男の子「うっ…うっ…いだぐらいっ…」
瑠「よし、上等だ」
瑠樺さんはフワリと笑った。
こんなに優しい顔滅多に見せない。
その顔、声、抱き上げた手つきは
子供が好きなことを物語っていた。
その後男の子はすぐに親御さんが探しに来て引き取られた。
黄「…瑠樺さん子供ウザがるタイプかと思ってた」
瑠「あー?失礼な奴だな」
黄「あ、ゴメ;;」
瑠「……俺も子供なんか嫌いだと思ってた」
黄「え?」
瑠「…でも息子ができたらあんな感じなのかなぁと思うと…うん、悪くねぇよな」
黄「瑠樺さん…」
また優しい顔。
瑠「歳のせいかもな」
黄「…」
俺はこの時悟ってしまったんだ。
瑠樺さんは深い意味はなく言ったのかもしれないけど
俺には深く突き刺さった。
だって
俺瑠樺さんの子供産んであげられない。
俺なんかとずっといたら
瑠樺さんの夢潰しちゃう。
なんで俺男なんだろって
生まれて初めて悔やんだ。
俺はそれから色々考えて
一つの答えに辿り着いた。
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