瑠×黄小説③

3/8
前へ
/194ページ
次へ
俺の手よりも先に瑠樺さんの手がその子をヒョイと抱き上げた。 黄「!」 瑠「おい、大丈夫か?どっか痛いか?」 男の子「うっ…うっ…いだぐらいっ…」 瑠「よし、上等だ」 瑠樺さんはフワリと笑った。 こんなに優しい顔滅多に見せない。 その顔、声、抱き上げた手つきは 子供が好きなことを物語っていた。 その後男の子はすぐに親御さんが探しに来て引き取られた。 黄「…瑠樺さん子供ウザがるタイプかと思ってた」 瑠「あー?失礼な奴だな」 黄「あ、ゴメ;;」 瑠「……俺も子供なんか嫌いだと思ってた」 黄「え?」 瑠「…でも息子ができたらあんな感じなのかなぁと思うと…うん、悪くねぇよな」 黄「瑠樺さん…」 また優しい顔。 瑠「歳のせいかもな」 黄「…」 俺はこの時悟ってしまったんだ。 瑠樺さんは深い意味はなく言ったのかもしれないけど 俺には深く突き刺さった。 だって 俺瑠樺さんの子供産んであげられない。 俺なんかとずっといたら 瑠樺さんの夢潰しちゃう。 なんで俺男なんだろって 生まれて初めて悔やんだ。 俺はそれから色々考えて 一つの答えに辿り着いた。
/194ページ

最初のコメントを投稿しよう!

348人が本棚に入れています
本棚に追加