瑠×黄小説③

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黄「別れ…よ…?」 瑠「………は?」 今日は瑠樺さんの家で楽しくお家デートなはずだった。 仲良く2人でソファーに座って映画見て いつも通り一緒に眠りにつくはずだった。 バカな俺はこの答えしか思いつかなくて… 俺にできることはこれだけだから。 瑠樺さん無しじゃ生きていけないのは百も承知。 でも 瑠樺さんに幸せになってほしい。 黄「…俺……別れたい」 瑠「…俺何かしたか?」 黄「…」 プライベートでは滅多に見せないような真剣な顔。 瑠「…何で別れてぇんだよ」 黄「…」 瑠「何か言えよ…」 こんな言葉嘘でも言いたくなかった。 これは瑠樺さんの為につく優しい嘘だから…なんて言いきかせても 結局優しい嘘なんかないよね。 だってこんなに苦しい。 黄「瑠樺さんに…俺は必要ない…から……」 ガシッ 俺が言い終わるのと同時に瑠樺さんが痛いくらいに俺の手首を掴んできた。 瑠「なんでお前はっ…!!」 瑠樺さんの辛そうな顔。 こんなに大事にされといて こんなに愛されておいて こんなこと言うなんて 俺最低だね。 瑠「…本気で言ってんの?」 黄「やめてよ…離して」 瑠「ゾジー」 瑠樺さんの手を振り払おうとする俺にただ名前を呼ぶ瑠樺さん。 やめて… これ以上 傷つけたくない。 傷つきたくない。 黄「嫌だ…」 瑠「おいゾジー」 黄「もうっ…離してって…」 瑠「黄泉っ!!!」 黄「!!」 ドンっ!! 俺は瑠樺さんを突き飛ばしてその場から走って逃げた。 久しぶりに名前を呼ぶ真剣な瑠樺さんの声が耳から離れない。 やめて。苦しい。 今すぐ瑠樺さんの側に行きたい。 あの胸に抱きつきたい。 黄「…ダ…メ…だよ…瑠樺さんの…為だから」 泣くな。 泣くな。 泣くな。 泣くな。 息を切らして俺は自分の家に向かった。
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