348人が本棚に入れています
本棚に追加
黄「…瑠…樺さん?」
瑠「…おう」
ドアの前に座っていたのは瑠樺さんだった。
黄「な…んで…?」
瑠「ここに居ればお前と話できるから…」
黄「!!………話なんか」
瑠「本当にないって思ってんのかよ」
黄「え…」
瑠「俺…本当にお前のこと手放さなきゃなんねぇの?」
黄「瑠樺さ…」
いつになく悲しい顔で俯く瑠樺さん。
そんな顔初めて見るよ…?
しかもそんな弱々しい声で
お願いだからやめてよ…
泣くじゃん…
黄「…っ…」
俺の負け。
瑠樺さんの隣に膝をついて崩れ落ちて
我慢してたのにとうとう涙が零れてしまった。
もう限界だった。
黄「ダ…メだって…っ…言ってるじゃん…」
瑠「ゾジー?…泣いてんのか?」
瑠樺さんが顔を上げて俺の顔をのぞき込んできた。
黄「泣いてっ…ないっ…」
瑠「意味ねぇ嘘つくな」
そう言って瑠樺さんは手で俺の頬の涙を拭った。
黄「!!」
瑠樺さんの手冷たい…
こんな寒いなかにいたら凍えるにきまってる。
何でここまでして…
瑠「…なんかあんだろ?別れるとか嘘だよな?」
黄「嘘なんかじゃ…」
瑠「じゃぁ何で泣いてんだよ」
黄「…っ」
瑠樺さんの幸せを黙って願えたらいいのに
なんて俺は欲深いんだろう。
最初のコメントを投稿しよう!