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まさに『無邪気』という言葉が似合う彼女
だがこの無邪気さ故、彼女の人間性に対して『好き』『嫌い』がはっきり分かれてしまうのだ。
誰もついて行けない童顔ワールド
俺はついて行ける童顔ワールド
永遠に着いて行くし永遠に沼に沈むし永遠に彼女に身を捧げる事など
とっくの昔―――
つまり告白する前から俺に対して俺が誓った事なんだ
そして俺の現実なんだ。
「さ、もう出ようか」
「えー外寒いー」
「マフラーと手袋貸してやるから」
「いらなぁーい」
「何!? 何で!?」
「男臭くて嫌ー」
「俺、男でいる事を今すごく後悔してる」
軽く彼女の無邪気さの言葉で傷ついたが、
「ごめんねぇーでも手袋は借りるー」
俺のコートのポケットに急に手を突っ込み手袋を探し当て
えへーありがとぉーと甘ったるい声で甘ったるい顔で甘ったるい匂いで甘ったるい全身で甘ったるい雰囲気で
俺に呪文をかけるように
その彼女の全部の『甘ったるさ』が
俺の視覚、嗅覚の全てを支配する。
あぁまた俺は沈んでいく……。
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