勝利の価値

6/9
前へ
/80ページ
次へ
アガルド歴1452年。 大戦勃発。 正確には、独立を続けていた島国である、《和》という名の中立国を、《エルドバイン》が武力で支配したのが始まりである。 世界最大の軍事大国であるエルドバインのこの行動により、結果として、世界中に今までくすぶっていた争いを、更に激化させる結果となった。 人類自体の進化により、それまで使用されていた戦車や戦闘機、その他の兵器は、全くといっていいほど意味をなさなかった。 そのため、純粋な兵士の実力が、戦況を左右する。 この事実をいち早く理解したエルドバインは、大戦の始まる前に、今までの軍に加え、とある計画を実行した。 名を《Triple・Forces・Project》。 通称(T・F・P)。 S.F(サイエンティフィックフォース)。 A.F(アンデッドフォース)。 G.F(ゴーストフォース)。 これらの三つの部隊は、今や正規軍よりも高い戦闘能力を有しており、今ではエルドバイン軍の主力となっているくらいである。 薬物投与などによる、限界の底上げをされたS.F。 既に息絶えた肉体に、再び命を呼び戻したA.F。 戦いなどを有利に運ぶため、隠密行動に長けたG.F。 《和》との戦闘においても、彼等の力は必要不可欠であったといえよう。 戦役から、ちょうど一年が過ぎ去ったある日。それこそが、A.Fが武装蜂起した日である。
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加