プロローグ

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 暗く。  かなり光が弱い空間で。 ━━━━ココハドコダ?  随分と長い間、彼は眠っていた。その証拠に、彼は頭がグラグラするのを感じた。目を開けようとすると、その視点すらも覚束ない。  兎にも角にも、このまま立ち膝でいるわけにもいかないので、彼は立ち上がろうとする。  だが、金属と金属が削りあうような音がするだけ。  立ち上がろうとしたが、《何かに》彼は動きを縛られ、顔面から思い切り地面へ打ち付けてしまう。  不審に思い、彼は自身へ視線を走らした。そこには、ご丁寧に両腕両足へ、計四つもの鎖がつけられているのが見えた。 ━━━━ナゼオレハコンナトコロニイル?  意識が朦朧としているおり、辺りの風景すらロクに確認できないままでいるのに対し、彼は内心焦っていた。 「血なまぐせぇな……」  乾燥しきった口で呟くが、答えが返ってくるわけでもなく。彼以外、何一つ動いているものは見えないでいた。  その異様な光景に、彼はこうとまで考えた。  …………そもそも、ここに《モノ》はあるのだろうか?…………と。  暫くの間沈黙を貫いた彼であったが、やっと自身の立場を理解した。 「ここは《不良品》地下収容所か……」  この独特の血生臭さは恐らく。《不良品処理場》が近くにあるためだろうと推測をし、同時に疑問を彼は抱く。 (しかし……なぜだ?なぜ自分がここにいる?何かの手違いではないのか?)  自問自答を繰り返していた彼であったが、すぐに答えは出てきた。 「まぁ、当然と言えば当然かな」  ボサボサの黒髪と共に頭を上げ、彼は《あの時》のことを思い出す。 ━━━━任務ヲ遂行セヨ。  言葉が、蘇っていく。
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