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マッコイは服が汚れるとか、そんな事は気にならないらしい。床へ後ろから倒れ込み、大の字になっていた。
「……ハァ」
そんなマッコイを見て、思わずため息が出てしまう。
「ほんっっと。エラそうだよな~、マーキュリーの奴」
俺が嘆息するのも頷ける筈だ。緊張感の欠片も無い奴。マッコイの第一印象はクールだが、当の本人はそうではないのだ。
「オイ、聞いてんのかよ?」
何時の間にか立ち上がっていたマッコイに、何の前ぶりもなく、凸ピンを喰らわされた。
少々イラッとしたが……。いつものことだ。怒る気にもならない。
「仕方ないだろう、一応上司だ」
額を左手でさすりながら、冷静に返す。
そんな俺の反応を見て「固ぇ奴」と呟いて、マッコイは両手を頭の後ろへと回していた。
「任務だ。行くぞ」
「ヘイヘイ、わかりやしたよ~」
漆黒の髪と深緑の髪は、そう言うと戦場へ赴く為に歩き始めた。
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