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とりあえず今日は、夕食の後に魔術の練習をする約束したので、木村君の家に行く。
コンコン♪
『どうぞ』
『またまた、お邪魔しまーす』
ちゃんとノックしてから、木村君の部屋に入る、私のマナーも成長したもんだ。
『さてと、じゃあ今日は「気刃」の練習にしよう』
そう言って木村君は、魔術具を納めてある棚から、小さな「剣」を取り出した、これも自作品で私が借りている「銀刃の儀礼槍」と同じく、荒い作りの品だった。
『「気刃」そのものは単純なんだけど、錬度によって形状の良し悪しに差が出る術だ、集中力が必要だけど、何よりも定めたイメージが必要になる』
そうして木村君は私に「剣」を手渡した。
『その「剣」の先から光の刀身が出るイメージをするんだ、ちゃんと「気刃」が出ているかは、切っ先の前に左手をかざして、感覚で悟るしかない、夏休みの事件のように異常な密度で霊気が集まった空間でもないと、俺達には視覚は出来ないからね』
そうして木村君は愛用の「アサメイ・オブ・ビーナス」を持つと、私に左手を出すように言ってきた、そして左の手のひらに切っ先を向けて、木村君は目を閉じて集中する。
『っ…!?』
少しの間を置いて、左手にビリッとした痛みが走った。
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