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『ごめんなさい、こんな格好をしてたら怪しくて引いちゃうわね』
その素顔を見た私は、一瞬で「負けた」と思っていた、何に負けたかって言うと、目の前に立つ女子の抜きん出た「美しさ」に。
やや切れ長の目、肌は透き通るように白くて、そして腰まで届くような長い漆黒の髪、顔立ちも整っている、スタイルはローブでハッキリとは分からないけど…そんな美女が目の前に現れ、同性の私ですら目を奪われてしまった。
『どうかしたの?大丈夫?』
『え…あ…いや…』
口ごもってしまった私を見て、その人は微笑む。
『もしかして、創立祭の準備を手伝いに来てくれたの?』
『あ…は、はい、そうです』
返事をしてから、しまったと思っても、もう遅い…目の前の女子の雰囲気に飲まれてしまったみたい;オカルト研究部に私1人で関わらないよう、木村君にも言われてる、ここはなんとか発言を翻さなくては、しかし、焦った私の頭は適切な答えを出してはくれず…
『ではどうぞ、入って』
『…失礼します』
何もしない内に部員の女子に促され、部室の中に入る羽目になってしまった…うう…。
『え………うわぁ…』
顔は平常に保ちつつも(何やってるのよ、私はぁぁぁ)と、内心で叫びを上げながら、部室に入った私…そこで思わず声を上げてしまった、部室には、今までに見た事がない、実に様々な魔術品が部屋の中に並べられていたから。
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