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私が判る範囲では、祭壇となる机が部屋の中央に置かれており、壁の四方には「火水風土」を表すシンボルが描かれた垂れ幕がぶら下がっている。
棚には大量の魔術書が並んでいた、ちらっとみたけど、グニャグニャした文字で書かれていてサッパリ分からない、他にも幾つかのナイフ、長さが異なったスタッフやロッド、銀製のキャリス、ヘキサグラムが描かれたディスク、他にもタロットや、様々な輝石が綺麗に並べられていた。
床の絨毯にはペンタクルが編み込まれている、それは金糸でランプの灯りが反射し、薄暗い部屋の中で輝いてみえる。
『…………………』
私が壮観な風景に絶句していると、部員の女子が再びクスクス笑っていた。
『ごめんなさいね、部室まで怪しくて』
『い、いえ、こちらこそすみません』
私はぺこりと頭を下げて謝罪をした。
『気にしないで、部長の私ですら、ちょっとやりすぎたかなって思っていたから』
『え?』
部長!?じゃあ…この人が「黒澤」って言う、あの無謀な活動を予定している人…。
私は気を引き締めた、まさか警戒していた本人と、いきなり鉢合わせになってしまうなんて。
『挨拶がまだでしたね、私は「黒澤奈緒美」です このオカルト研究部の部長にして創立者なの、よろしくね』
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