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『ふーん、霧島さんの学校って、そんな部活があるんだ』
魔術の師匠である木村君が、ぼーっとしながら、私の話に耳を傾けている。
もはや木村君の家に来るのは、私の日課と化していた、学校が終わって夕食とお風呂を済ませたら、直ぐに家を飛び出して木村君の家を訪ねる。
今日も浸透魔術の実践練習をした、以前は天然水に私の霊力を直接注ぐ方法だったけど、今では粗塩を入れて本格的な聖水を作っている。
もう少し魔術に慣れたら、木村君が専門に鍛えている魔術武器のアサメイを、プレゼントしてくれるそうだし、やる気も出てくる。
『うん、友達に聞くまで、そんな部活があった事すら知らなかったんだけどね』
『しかし、その部長さんとやら、なかなか度胸があるな…部活とは言え、表舞台で差別視されやすい分野の活動を、堂々と行うとはな』
木村君の言葉を聞いていると、部長の黒澤さんに対する評価が、意外に高いように聞こえる。
『でも霧島さんの言う通り、危なくもあるな…俺達と同じくらいの世代で、その世界に興味を持つとなると、大概が心霊スポット探検やら、妙な「おまじない」とかだろう』
私が心配していた事を、木村君も言った…やっぱり、そうだよね。
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