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私は努めて普通に話をする。
『ううん、修行したとかは聞いてないな、ただ、なんか生まれつきの霊感体質みたいで、しょっちゅう幽霊を見て育ってきたんだって、それって凄いよね、羨ましいな~』
修行もしてないで心霊相談を引き受ける?その黒澤って人、自分の霊感に、かなり自惚れてるみたい…そんな人が主催するような部活、いずれはとんでもない事になる。
本当なら今すぐにでも加奈ちゃんには、その部活を辞めてもらいたい、でも私がそう言った所で、素直に従う訳もないし…
それに木村君からも、あまり探らない方が良いと言われている。
『そっか、でも本当に気を付けてね、加奈ちゃん』
『ありがとう沙耶、もちろん注意するわよ』
そうして話を終え、加奈ちゃんの側から離れて自分の席に戻った。
(どうしよう、こんな時、木村君ならどうするのかな…)
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午後の授業は殆ど頭に入らなかった、ずっとオカルト研究部についてどうするか、考えていたから。
キーンコーン♪カーンコーン♪
最後の授業が終わるチャイムが鳴り、その日の学校は終わった。
私は少しでも早く家に帰って、木村君に相談するべく帰りを急いだ。
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