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誘われて…
『沙耶、沙耶~!』
『ん?』
名前を呼ばれて振り向くと、同じクラスメートであり、親しくしている友人の「綾崎加奈」ちゃんが、手を振っていた。
『どうしたの?加奈ちゃん』
私も小さく手を振り返しながら、立ち止まって加奈ちゃんが来るのを待った。
『沙耶ってさ、まだ部活とかに入ってなかったよね?』
『うん、イマイチ興味を引くのが無くって』
私の通う学校の部活は、取り立てて珍しいものは無い、野球部、サッカー部を代表とする他にもバスケットやテニスもある、吹奏楽や美術は多少ながら興味はあるけど、部活に入ってまでやりたいとは思わなかった。
『そっか…ねえ、沙耶って幽霊とか、おまじないに興味あるかな?』
『え?』
私はちょっぴりドキリとする、何せ密かにその分野に片足を突っ込んでいる身だし…。
『幽霊や…おまじない?まあ、少しは…あるかな』
少しどころじゃない、大いに興味はある、お隣に住んでる親友に魔術なんてものを教えてもらってるような女だし、夏休みにはリアルで怪異を経験している、もの凄く怖かったけれど、それが隠秘学を学ぶきっかけでもあった。
『ホント!?じゃあさ、オカルト研究部なんて…入る気ないかな?』
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