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「そんな事も出来んのか」
零は構える。
よく見ると彼の左目は金色に輝いていた。
(間違いない。奴も魔人…。しかし『姫』は魔人に覚醒する可能性がある人間は九条玲華と言ったはず…。何故だ?)
「まさか覚醒するとはな。これでお前も指名手配だ」
そう言うと男は凄まじい速さで矢を連続で射る。
「本当に容赦ねぇな」
そう零は呟くと玲華を抱き抱える。
「え?零大丈夫なの?」
「何がだ? こんな傷なら…「私重いよ?」」
「そっちかよ…」
「あと傷大丈夫?」
(そっち聞くの遅ぇ!)
零は突っ込むのが面倒だったので話を変えた。
「ちょっと怖いかもしんないけど気にするな」
「え? きゃっ!!」
そう言うと零は高く飛び上がり、壁を蹴りながら近くの低いビルの屋上に飛び上がり、玲華を下ろす。
「ここで玲華は待ってな」
「零…」
「大丈夫心配するな」
そう言って零はビルから飛び降り、再び男と対峙した。
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