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「いくら貴様が速かろうが、直線の速さでは風には勝てん!」
そう言うとラタトスクは槍を構える。
「行くぞ!」
ラタトスクの姿が消える。
そして零がラタトスクの姿を捉えた時にはすでに彼の槍が零の腹に突き刺さった時であった。
「ぐっ!?」
よろける零に対し、ラタトスクは追い討ちをかけるようにそのまま槍を抜き、回し蹴りを放った。
零の身体は大きく後ろに吹き飛ばされ、後ろのビルの壁を突き破る。
それを屋上で見ていた玲華は思わず目を覆った。
しかし崩れたビルからゆっくりと人影が現れる。
「まだ生きてるのか、しぶといな…」
「ふん、まだまだいけるさ!」
そう言うと零は近くの壁に寄り掛かる。
(くそ、全く見えなかった、反則だろあんなの…)
零は痛みで動かない身体に鞭をうって、再び構える。
「減らず口を…。その口、聞けなくしてやる!」
そう言うと再びラタトスクは槍を構えた。
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