覚醒

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玲華は怖くて目を開けられなかった。 自分の大切な人が死ぬ。 そんな恐怖でいっぱいだった。 しかしいつまでたっても音がしない。 それどころか音が何一つ聞こえない。 玲華は不思議に思い目を開ける。 するとどうだろう、すべての物が止まっていた。 そしてゆっくりと時間が動き出す。 まるでビデオのスロー再生を見ているかのようであった。 玲華は零の方を見る。 (まだ零は生きてる…) 玲華は辺りを見回す。 するとラタトスクが先程捨てた弓があった。 玲華は弓に駆け寄り、弓をラタトスクに向けて放つ。 そして矢はラタトスクの右腕に突き刺さった。 その直後、時間が再び元に戻った。 「なんだこれは!?」 ラタトスクは突然の痛みに零から離れる。 そして指輪に集める光も消えた。 (今がチャンス!) 零はラタトスクの視線が自分から逸れた事を確認すると、彼の顔目掛けて回し蹴りを放った。
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