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「もう…、早過ぎるよ!」
「お前が遅いから悪いんだ」
玲華は息を切らしながら零の隣を歩いていた。
いつもと変わりない下校。
その時、まさか二人はこれが最後の下校になるとは思ってもいなかった。
「今日も学校つまんなかったな」
「あんたはいつも寝てるでしょ!」
「つまんないから寝るんだよ」
「そうですか…」
二人はゆっくりと道を歩いていた。
すると後ろから黒塗りの車が追い越してきた。
零は咄嗟に玲華を道の横に押す。
「危ねぇじゃねえか!」
零は車に向かって怒鳴りつける。
すると車は止まり、中からサングラスをかけた三人の男達が現れる。
「桐生零と九条玲華だな…」
「あ? なんでてめぇら俺達の名前を知ってる?」
「我々は警察だ」
そう言って男は手帳を見せる。
そこには秘密警察の証であるヘキサグラムと龍が描かれた紋章があった。
「なんで秘密警察が…」
「零、あんたなんかやらかしたの?」
玲華は怯えながら零を見る。
「んなの知るかよ!」
零は身構える。
すると男達が手配書らしき物を二人に見せた。
「九条玲華、お前を魔人に覚醒する疑いがあるとして逮捕する」
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