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「♪さよならも~言えないくらいに~しっかり~抱きしめていてね~」
朝8時。
携帯のアラームが鳴る。
「…ん」健四郎はアラームを止めた。
ふと、携帯に貼ってある付箋に気付く。
“美容室”
健四郎は、何かやらなければいけないことがある休日は、前の夜に付箋に用件を書いて、アラームを設定した携帯に貼るのだ。
こうすれば起きるときにその用件を思い出し、寝過ごすことはない。
「美容室…」
昨日から美容室に行こうと決めていたのだ。
今日は4月1日。
春休み中である。
今日からオレは三年生なのか…
嫌だな、受験生。
そんなことを考えながら健四郎は布団からもぞもぞと起きる。
休日の朝は、慌ただしい平日と違いゆっくりできるから好きだ。
朝の気持ち良さを堪能できる。
一階に降りてリビングへと向かうと、母が居た。
「あれ、早いじゃない?」母が少し驚いた。
健四郎は普通、休日は昼まで寝ている。
8時でも十分早いのだ。
「うん。美容室行く…朝ごはんは?」健四郎は呟いた。
「あ、そう。ピザとサンドイッチがあるけど、どっちが良い?」
「んー…ピザ。」
健四郎は朝食と洗顔を済ませた。
まだ時間は早い。
少し部屋でゆっくりしよう。
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