血の垂レた心

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スズメの鳴き声が耳につく いつも通りの朝。 「お早う。」 少し寝ぼけ眼で二階から一階へとおぼつかない足付きで居間へ向かう 台所で母は朝食の支度をしつけっぱなしのテレビからは朝のニュースが流れている …7時10分。 「あら、早いわね!今日は休みなのに。」 母は朝から元気に俺にそう良いながらまな板に乗せたネギを小気味良く音を立て切っている 「哲哉、またあの事件起きたらしいわよ~」 そう言われニュースを意識して見てみると その事件 に関してのニュースが流れていた事に気付く 「昨日未明、○○県○○市の大門川付近で若い女性の遺体が発見されました。遺体の損傷具合が激しく未だ身元確認が取れてない状態ですが年齢は二十歳から三十歳で黒いスーツを着用し髪型は肩まで伸びたセミロングだと言うことです。警察では三日前に起きた猟奇的殺人の一連の犯行ではないかと調べを進めています。」 「ほんと、近くで殺人事件だなんて怖くて夜出歩けないわよねぇ。」 母親がそう呟いた 「大丈夫だよ、母さん若くないし。」 「……。」 小気味良くたてていた音が鳴り止んだ。
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