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『わたしは光樹(ミツキ)。』
「みつき?」
『そう、光樹。月の向こう側から来たの。ちょっと事情があって、ここに落ちちゃったの。』
「事情?」
『ごめんなさい。どうしてあなたのことを知っているのかと、事情だけは話せない。』
しゅんとしょげたように尾を垂らして話す。
魚にも、こんなに感情の表現があるのかと思うと、急に光樹が可愛く思えた。
「いいよ。こっちこそ何も知らずに怒って悪かった。」
そう言うと、光樹はほっとしたように、私の頬に体を摺り寄せた。
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