│:瓢逸の紫

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    「何、したんだ?」  死んでいた筈の人間が起き上がる。この空間で意識があるという現状と無知が、私の憤りに拍車を掛けた。  これで36人目、だろうか。  現実を受け入れない人間の疑問符を確認したのは。  35回、奴らの鼻を挫き、過信が命乞いへ変わる前に、折る。  所詮、目の前の男もその程度なのだと──。 「言葉にしないのは、逃げだ」 「泣いて良し逃げて良し、ってか?」 「お前がどんなに死にたくっても、何度だって中にぶちこんでやる」  ──36人目。  これほど不愉快な奴は、殺し飽きない。  
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