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「孝介ッ!」
吉本の強い声に我に返ったようで、相島は傍らに立つウェイターを見上げた
「お客様…大丈夫でしょうか?」
「あぁ…大丈夫だから…」
左手で額を抑え、右手をヒラヒラと追い払う様な仕草をする相島を見て、ウェイターは明らかに嫌そうな顔をして去って行った
一瞬静まり返った店内が、また騒がしくなる
「孝介…お前最近変だぞ?大丈夫なのか?」
「…大丈夫だ
ただちょっと疲れているだけだ」
相島は力無く笑うと、テーブルに広がる教科書に視線を落とした
そう言われても、吉本は納得出来ないでいた
最近の相島は、何かに怯えている様に見えたし、そのせいで眠れていないんじゃないか…と思っている
その証拠に、相島の目の下には隈が出来、体全体が細くなってきていた
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