21人が本棚に入れています
本棚に追加
結局ファミレスを出たのは深夜2時を過ぎ、自転車を押しながら話す2人の話題は、終始松岡美晴の事だった
美晴は2人のクラスメイトであり、吉本の片思いの相手でもあった
「それにしても…美晴ちゃんの、どこがいいんだよ」
ニヤけた顔で、相島は吉本の反応を伺う
「あいつ…可愛いし、話しやすいし…」
美晴を思い出している吉本の表情は、明らかに緩んでいたに違いない
「知ってるか?美晴ちゃんのお母さんって、元モデルらしいぞ?」
何でそんな事、お前が知っているんだよ!と言いたくなる気持ちを抑え、吉本は「ふぅん」とだけ、応えた
「知りたいか?な、何で俺が知ってるのか気になるだろ」
「うるさいなぁ」
そう言いながらも、吉本は不思議に思った
美晴は確かに可愛いが、誰もが振り向く《絶世の美女》の類いではない
本人が気にしている低めの鼻が、吉本は可愛く思えるのだが……
最初のコメントを投稿しよう!