想い…

席は淳の隣。名字が近いので、同じクラスになると隣の席になるのだ。
これで席替えするまでの間は、つまらない授業も楽しくなるな。

ホームルームも終わり下校の時間。
淳が声をかけてきた。

『お前が、前から見たがってたやつ買ったんだけど、見るか？』
『見る～見る見る！』
『あっ、でもDVDだけど…。大丈夫か？』

大丈夫ではなかった。ウチにはDVDデッキがないのだ。

『見れない…。でもみ～た～い～！』
『じゃあ、ウチに来る？』

一瞬ドキッとした。
私は表情に出さずに返事をする。

『行ってもいいなら…。』
『来てもいいから誘ってるんだけど？』

淳の言う通りだ。行っちゃ駄目なら最初から誘わないはずた。

『ウチに来たことない訳じゃあるまいし、遠慮するなよ。』
『だよね。』

そう言って私達は、学校を後にし淳の家へと向かった。