想い…

5/10
前へ
/106ページ
次へ
その帰り道、朝に聞けなかった事を質問してみた。 『彼女と、いつ別れたの?』 『……先週。』 一言だけ言うと違う話しに変えられてしまった。 私は気になる気持ちを抑え、それ以上は聞かない様にした。 それからは、他愛もない話しをして淳の家に向かった。 20分ぐらい歩いただろうか、見慣れた淳の家に着いた。 『入れよ。』 私を家へと促す。 『お邪魔しま~す。』 いつ来ても、淳の家は緊張してしまう。それに、いつもならここでおばさんが顔を出すのに、今日は出て来ない。 『あれ…?おばさんは?』 『言ってなかったっけ?出掛けてて帰り遅くなるんだと。』 それを聞いて、ドキッとした。 「おばさんか居ない?確かに居ないと言った!」私は心の中で再確認をした。 『えっ、聞いてないけど…。』 『あっそう?でも、居ても居なくても一緒だろ。』 「一緒じゃな~い!!」っと内心焦りまくった。 なんとか平常心を保ち、淳の後に付いて部屋へと向かう。 『ほら、ボーっとしてないで入れよ。』 やっぱり来たのは失敗だ…。 後悔しても、もう遅い。私は諦めて部屋に入った。
/106ページ

最初のコメントを投稿しよう!

274人が本棚に入れています
本棚に追加