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その帰り道、朝に聞けなかった事を質問してみた。
『彼女と、いつ別れたの?』
『……先週。』
一言だけ言うと違う話しに変えられてしまった。
私は気になる気持ちを抑え、それ以上は聞かない様にした。
それからは、他愛もない話しをして淳の家に向かった。
20分ぐらい歩いただろうか、見慣れた淳の家に着いた。
『入れよ。』
私を家へと促す。
『お邪魔しま~す。』
いつ来ても、淳の家は緊張してしまう。それに、いつもならここでおばさんが顔を出すのに、今日は出て来ない。
『あれ…?おばさんは?』
『言ってなかったっけ?出掛けてて帰り遅くなるんだと。』
それを聞いて、ドキッとした。
「おばさんか居ない?確かに居ないと言った!」私は心の中で再確認をした。
『えっ、聞いてないけど…。』
『あっそう?でも、居ても居なくても一緒だろ。』
「一緒じゃな~い!!」っと内心焦りまくった。
なんとか平常心を保ち、淳の後に付いて部屋へと向かう。
『ほら、ボーっとしてないで入れよ。』
やっぱり来たのは失敗だ…。
後悔しても、もう遅い。私は諦めて部屋に入った。
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