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保安協会は各課に事務所を別々に設けている。理由はなんとなく解るな、一ヶ所に集まっているとこの広い【パラケルスス】の街で事件発生時に対応できない。
そして事務所と寮は同じ建物に存在し24時間いかなる時も対応出来るようにと隊員を臨戦状態にしておくのが保安協会の決まり。
しかしだ、隊員が4人とはどういう事だ?しかも一名遠方より出動中で今は戦闘員3人だと?
まとめてみる。
隊長 ライル
副隊長 アキヒト
オペレーター
戦闘員×4(1名移動中)
これで24時間まわせと?無理にも程がある。なんだ?アルトは嫌われているのか?
「失礼しますよ隊長」
そう言ってアキヒトさんが入ってきた。そして扉の向こうでアキヒトさんと誰かの話し声がする。
「し、失礼します!!」
その挨拶と共に飛び出してきたのは……保安協会の制服を身に纏った一人の女性。
まず目を引かれたのは長い栗色の髪に……ふさふさした栗色の尻尾。
獣人か、何も珍しい事はない、彼らと平和協定が結ばれたのは大昔の話だ。すでに共存の道を歩んで歴史は存在している。
「お、オペレーターのニーナ・レトリバーです、よろしくお願いします」
礼儀正しく頭をペコリと下げる。すると勢い余ってか制服のベレー帽が床に落ちて犬族ならではのピンと立った耳が姿を現した。
「ライル・インフェルノ、今日からよろしく頼む」
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