95人が本棚に入れています
本棚に追加
手元にある資料を読んでみると新隊員の簡単なプロフィールが掲載されていた。
これは今朝アルト事務所前にて新隊員の一人にて渡されたモノなのだが……なんでも彼は俺の補佐として副隊長の任を受けたらしい。
因みに……彼というのは、今俺の目の前でジパングっつう国の苦い茶すすってる一見係長な風貌のジイサンである。
プロフィールによると……アキヒト58歳、趣味盆栽……
「おやおや隊長……お茶おかわりいれますかね……ういっしょっと」
メガネの奥で優しくて微笑む彼は親孝行という言葉を思い出させてくれた。
掛け声と一緒に立ち上がるその姿など……ばあちゃんをみているようだ。
「あ、お構い無く、アキヒトさんも無理しないで」
何故か今まで怒り狂っていた自分がバカらしくなってしまう、それに……結果を出せ、そう言われたのだ。やってやろーじゃねーか!
やがてアルト事務所のチャイムが鳴る。それを聞いてかアキヒトさんは重い腰に鞭を打ち玄関へと向かう。
「では見て来ますよ隊長」
「あ、申し訳ありません」
すまない事をした、俺が行けば楽させれたのに……。
最初のコメントを投稿しよう!