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―今日から付き合おうな…
光哉の言葉が離れない。
告白の時とは全く違う口調、雰囲気、勢い。
今、そのすべてが亜希を困惑させていた。
光哉には話を聞く気がない。
雨の降りしきる中庭で、亜希は一人気持ちの整理を付けようと必死だった。
―好きじゃないのに今日から光哉が彼氏なの?
―あたしの話も聞いてくれない人が彼氏?
不安だらけ。
もう、どうしたらいいかわからない。
そんなとき、
「「亜希ッ!!」」
と呼びかける友達の声。
亜希の戻りが遅くて心配して見に来たら、彼女は一人、中庭に立ち今にも泣きそうな顔をしていた。
「亜希、どうしたの?大丈夫?」
その言葉を聞いた瞬間、亜希は子供のように声をあげて泣いた。
そして、この日から亜希は辛い日々を過ごすことになったのだった。
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