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光哉と強引に付き合うことになって、約一ヶ月がたったころの昼休み。
亜希は教室の机に突っ伏して唸っていた。
その様子を見兼ねた佳穂が、
「なーに?また光哉くんとなんかあったの?」
と問い掛けた。
すると、さっきまで死にそうな雰囲気をだしまくっていた亜希は急に起き上がって佳穂を睨みつけ、
「なんかもなにもないよ!!」
と怒鳴った。
その怒鳴り声にクラスの視線が一気に亜希と佳穂に集まる。
亜希と光哉が付き合うことになったという事実は、
恐ろしく早いうちに学年中に広まった。
その噂を聞いてか、仲のいい女友達には心配され、
男子には無理すんなよーと諭された。
…そして、今日亜希が机に突っ伏して唸っていた理由……。
亜希はクラスの視線が集まっていることも気づかずに声を張り上げる。
もちろん光哉は男子友達と校庭に遊びに行っていていない。
「あいつはあたしの意志を聞く気なんてないのよ!!」
「なんで?」
「昨日、あたしは行きたくなかったのに無理矢理デート!!しかもつまんないしッ!!」
「あー、つまり行きたくないってゆー根本的な意志を無視され、デート中も聞き入れられず、結局はつまんなかったと。」
「そうだよ!!」
亜希は1番大きな声を張り上げて肯定し、光哉への不満をあらわにした。
それをみた佳穂は、大きなため息をついたのだった。
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