理不尽な思い~中学~

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毎日毎日光哉に対しての不満が積もっていく中で、亜希は中学二年生に進学した。 光哉とはクラスは違うことになったが、 亜希は精神的な疲労もかなりの量でたまっていた。 そんなある日… その日は、前々から光哉と一緒に帰ることになっていた日だった。 しかし亜希は午前中から体調が悪くなり、午後まで我慢した。 だがどうしても部活をして、光哉と一緒に帰れるほどの力は残っていないと判断した亜希は、 部活を休み、一緒に帰るのも断り早退すると告げに光哉のもとへ訪れた。 亜希の姿を見た光哉は笑顔でこちらに向かってきたが、 亜希の話を聞いているうちに、 だんだん不機嫌になり、 聞き終わったあと教室に入ってしまった。 どうしようか迷った亜希だったが、帰ろうと思い教室へと足を進めた亜希だったが、 「おい、亜希」 とさっきまでいた場所からよばれ振り返ると光哉がいた。 「なに?」 と近寄ると、 いきなり右手を捕まれ、 その右手のこうに油性ペンでなにか文字を書かれ、 どこから持ち出したのかペンチで文字を書かれたところをつねられた。 「いっ…」 痛みをこらえ右手のこうをみると油性ペンで 『うら切りもの』 と書かれ、ペンチでつねられたせいで赤く腫れ、内出血していた。 亜希はそれをみて悲しみと悔しさと怒りとが混ざった気持ちを抱え、その場をにげた。 教室にもどるころには涙のせいで視界がみえずぼやけていた。 それをみて、 一年のときから一緒の佳穂が駆け寄りその姿を抱き抱えると、 亜希は佳穂の腕の中で泣きじゃくった。 佳穂はなにも聞かなかったが、 亜希の右の手のこうをみて、 胸が痛むのを感じていた。
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