きみいろ

理不尽な思い～中学～

退院してすぐ…
中学３年生ということもあり、
修学旅行の日程説明や自由行動の計画などが始まった。

亜希は、
自由行動のメンバーを佳穂と、
部活で仲良くしている子という５人グループにした。

あそこに行きたい……
これが食べたい……

自由行動の計画は順調に進んでいった。

ーしかし、
その雰囲気は、簡単に崩れていった。

崩れてしまったその理由。

それは、
グループのメンバーで、亜希と同じ部活である夏稀(ﾅﾂｷ)がクラスの男子である悠弥(ﾕｳﾔ)とのささいなやり取りから始まった。

まず悠弥には彼女がいた。
その彼女は、
亜希と夏稀が所属している弓道部の部長である奈々(ﾅﾅ)。

つまり、夏稀は悠弥と仲良くしすぎてしまったのだ。

悠弥は優しく誰とでも仲良く出来る性格だった。
しかし奈々は妬きもちやきだったこともあり、すぐ不安になって情緒不安定になった。

亜希はそんな３人の話の聞き手になったが、
結局奈々と悠弥は別れることになり、亜希は夏稀とケンカしたような状態になってしまったのだ。

でも、いくら嫌でも自由行動のグループは一緒なわけで、
一日一回は顔を合わせることになった。
しかも夏稀がグループのリーダーで、亜希は副リーダーだったこともあり余計に気まずかった。

そんな中、
迎えてしまった修学旅行。

夏稀や奈々のことがあり、
入院して治りかけていた胃炎がまた戻ってきて食欲が出ず、
体調不良が続いていた。

更に委員長としてクラスをまとめなければならない立場なのに、
男子と会話をしてはいけないことで思うように仕事が出来ない。

亜希は楽しくなるはずの修学旅行に嫌気がさしていた……。