理不尽な思い~中学~

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次に亜希が意識を取り戻した時には、 亜希は音のした薄暗い階段の どこからも死角になる位置に、 声を出させないためなのか、 口封じをされた状態で座っていた。 「よぉ、目ぇ覚めたか」 どこからか聞こえた光哉の声。 この声を出した意味を亜希は知っていた。 『怖い』 直感が、体中が危ない逃げろのサイレンを鳴らしている。 でも体は動かなかった。 そのうちに近づいて来る足音。 そして目の前に。 「……んー」 「なに言ってっかわかんね。てかお前なに避けてんだよ。マジふざけんな」 そういうと光哉は亜希の口を封じていたガムテープを外した。 「わかってんのかよ?」 「……」 「なんか答えろよ!!」 「……」 終始黙ったままの亜希に呆れたのかむかついたのか、 光哉は亜希の右手首を掴み、 カッターを軽く押し当てて切り傷をつけた。 「ッ!!」 右手首は軽く血が滲み出ていた。亜希が痛みをこらえていると、 光哉は不意に亜希のあごを持ち上げキスをした。 拒んでも男子の力には勝てず、 逆に息が上がったことで口を開いたその瞬間、 光哉の舌が入ってきた。 「んー!!」 抵抗しても無意味。 亜希はそのまま無理矢理、 光哉を受け入れるしかなかった。
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